新居浜市郊外に重厚な数寄屋造りの大邸宅と広大な庭園を有する旧広瀬邸は、平成15年に「別子銅山を支えた実業家の先駆的な近代和風住宅」として、国の重要文化財に指定されました。住友グループの基礎を確立し日本の近代産業の発展に貢献した広瀬宰平の旧邸です。 

旧広瀬邸は伝統的な日本家屋の中に、輸入された避雷針や暖炉、洋式便器、板ガラスなどが取り入れられ、まさに和洋折衷といったところ。例えば、一室に掘りごたつと火鉢、そして暖炉が同居。しかしながら、それらが見事に調和していて不思議でレトロな空間になっています。

母屋2階の望煙楼からは新居浜市街が一望でき、はるか昔ここで住友の発展を願いつつ海辺の精錬所に立ち昇る煙を眺めていたであろう広瀬宰平の心持ちを垣間見ることができます。ほかにも緑豊かで広大な庭園を、時を忘れのんびりと散策するも良し、あるいは新座敷の縁側から、まるで一枚の絵画のように整えられた景色を眺めるのも一興です。 

明治時代から時が止まったかのような趣の旧広瀬邸。時間に囚われず心癒されたい人におすすめのスポットです。