ご当地お雑煮で旅気分
親戚の家に訪問したり、実家に帰省したりする方も多いであろう年末年始。
家族団らんで、「そうそうこれこれ!これぞ我が家の味!」と馴染み深い味に心も体もほっこり温まるのがお雑煮です。愛媛県内では基本的にすまし汁がベース。ただし、県内でも少しずつ中身が違うそうです。今回はそんなお雑煮について、全国各地からピックアップしてご紹介させていただきます。
■北海道
ベース:鶏ガラでだしをとり、醤油で調味したもの。
餅:焼いた角餅
具材:鶏肉、大根、人参、ごぼう、しいたけ、油揚げ、かまぼこなど
札幌では、正月前に鶏ガラが並ぶ光景が見られるそうです。砂糖を加えて調味するため、少し甘いのが特徴。また、「なると」ではなく、切り口が「つ」の字になっている「つと」というかまぼこを使うのが一般的。
■岩手
ベース:だしに醤油で調味したもの
餅:焼いた角餅
具材:くるみ、鶏肉、大根、人参、ごぼう、しいたけ、焼き豆腐など
甘いくるみダレを添えて、お雑煮から取り出した餅を絡めながら食べるのが伝統。
■千葉「はば雑煮」
ベース:だしに醤油で調味したもの
餅:焼いた角餅
具材:はば海苔
「はば海苔」とは房総・九十九里の特産品で、海苔よりも昆布に似た食感や風味が特徴。作り方はとてもシンプルで、汁を入れたお椀に角餅を入れ、炙った「はば海苔」を手でもみながら振りかければ完成。年始に食べることで「はばを利かせる」「人間的にはばが出る」と言われています。
■新潟
ベース:塩鮭でだしをとり、醤油や塩で調味したもの。
餅:焼いた角餅
具材:鮭、いくら、大根、人参、ごぼう、里芋、こんにゃく、かまぼこ、焼き豆腐など
いくらを添えた豪華なお雑煮。いくらはそのままではなく、あえて茹でてからのせることもあるそうです。
■京都
ベース:白味噌
餅:丸餅
具材:金時にんじん、雑煮大根、里芋
真っ赤な紅色に魔よけや慶びの願いが掛けられた金時人参をはじめ、入れる具材を丸くすることで「家庭円満」「物事を丸く収める」といった願いが込められているそうです。
■鳥取
ベース:小豆
餅:丸餅
具材:なし
小豆の赤色には邪気を払う力があり、縁起のいい食材とされています。柔らかく煮込み、味も砂糖で甘くするのが一般的。ぜんざいやしるこのような見た目です。
■鹿児島
ベース:焼きえびでだしをとり、甘口の醤油で調味したもの。
餅:焼いた角餅
具材:焼きえび、人参、里芋、豆もやし、春菊、しいたけ、かまぼこなど
お椀からはみ出すほどのえびが乗った見た目が特徴的。
最後に、愛媛県南予地方のとある地区に伝わるお雑煮をご紹介させていただきます。
焼き干し鮎でだしをとり、醤油で調味する点が特徴的。焼き鮎をそのまま入れるご家庭もあるようです。具材は、大根や水菜などの野菜のほか、焼餅や大洲特産の生シイタケ(どんこ)など。焼き鮎が上品な旨味を出し、あっさりと食べられるお雑煮です。
ちなみに、東予地方の中でも、香川県と隣接している四国中央市では、一風変わったお雑煮が食べられていることをご存じでしょうか?一部の地域では、白味噌ベースの汁に餡入りの丸餅を煮てから入れるのが主流だそうです。具材はこのほかに、金時にんじん、大根など。餡の甘さと白味噌の塩気がクセになるお雑煮です。
いかがでしたか。
いつもと同じもいいけれど、自分の知らない食文化を知ることはわくわくしますよね。
新年の幕開けにご当地お雑煮を食べて、新しい気持ちでスタートを切るのはいかがでしょうか?