今さら聞けないニットの見極め方
寒さがまだ身に染みる2月。
もう春はすぐそこ、ふと今年お気に入りだったニットに目をやり、
「高かったのにもう毛玉だらけ…」「手入れが面倒…」
なんて思った経験はありませんか?実は、ニットはただ高価なものを選べば綺麗な状態で長持ちするというわけではありません。
今回のコラムでは、商品を選ぶ段階で頭の片隅に置いていただきたいニット選びのコツをご紹介させていただきます。
1.素材を見る
毛玉が出来やすいかできにくいかを判断するときは、素材のタグをきちんと確認するようにしましょう。
◎動物性繊維 △化学繊維 △天然繊維と化学繊維の混合素材 2.編み目の粗さを見る (おまけ)毛玉が出来てしまった時の裏ワザ
生物から採取した繊維であり、定番は羊毛を使ったウール。一番毛玉になりにくい繊維はモヘアやアルパカ。全く毛玉ができないというわけではなく、その切れやすい特性から、毛玉が大きくなると自然に衣類の表面から脱落する傾向があります。
人工的に作られるアクリルやポリエステルなどを化学繊維と言います。例えばアクリルはウールを目標に作られた素材で、洗いやすく柔らかい風合いが特徴。毛足が長いうえに吸水性がなく、摩擦による静電気が起きやすいので、毛玉になりやすい素材であると言えます。ただし、「アンチピリング加工」されているものはおすすめと言えます。「アンチピリング加工」とは毛玉になる前に落ちるようにする加工のことで、商品説明に記載されていることが多いです。
動物繊維や植物繊維(綿)を含む天然素材と、化学繊維が混紡されている素材もまた毛玉が増えやすいと言えます。天然繊維のみであれば自然に脱落することが多いものの、化学繊維が入ることによって毛玉が落ちずに表面にくっついたままになってしまうようです。一度できた毛玉は固く、そこに新たな毛玉が絡まり、どんどん大きくなり、目立つようになります。
このほか、粗い編み目のものは摩擦を受けやすく毛玉ができやすい傾向にあります。逆に、高密度で細かくしっかり編まれたニットや、表面が滑らかな状態で平編みされているものは毛玉ができにくいとされています。
使い古した歯ブラシを毛玉のある個所にあててブラッシングすることで、毛の塊をかきとることが可能です。何度も使った歯ブラシの毛先は四方八方に曲がった形をしていることと思います。この曲がった毛先がいくつも連なることによって、毛玉を絡めとることができます。このほか、食器を洗うスポンジのガサガサしている面を下にして毛玉に軽くあてるだけでも毛玉が取れます。ただしこれらの方法はデリケートな素材ではなく、アクリルやポリエステルなど、固い化学繊維におすすめの方法と言えます。デリケートな洋服には、毛玉取り器やはさみ等を使って丁寧にカットするようにしましょう。
いかがでしたか?
セーターには毛玉になりやすいものとなりにくいものがあります。完全に毛玉ができないというものはないですが、商品を選ぶ段階で毛玉ができにくいものを選べば手入れの手間を減らすことができます。
お買い物する際は頭の片隅に、是非参考にしてみてくださいね!